■ナス科 ナス属

鈴薯の原産地は南米アンデス山脈です。1540年頃、スペイン人によりヨーロッパへ伝わりましたが、当初は観賞用でした。本格的に栽培されるようになったのは1600年頃です。

その後、日本にはオランダ人によってジャガトラ(現在のジャカルタ)から長崎へ伝わりました。これが由来となって「ジャガタライモ」という呼び名が付き、「ジャガイモ」となったといわれています。また、「馬鈴薯」という名前は、馬につける鈴に似ていたことから付いたといわれています。

 日本で馬鈴薯の本格的な栽培が始まったのは明治以降です。北海道の開拓とともにアメリカから多くの品種が輸入されました。現在の主要品種である‘男爵薯’も、明治41年頃にアメリカから輸入されました。

‘男爵薯’はデンプンが多いので加熱するとホクホクとした食感になります。対して ‘メークイン’は粘質系で煮崩れしにくいのが特徴です。このほかにも、肉質が黄色で、ホクホクとした‘キタアカリ’や、煮崩れしにくい ‘ニシユタカ’ など様々な品種があります。品種の特性を覚えて、料理や好みに応じて使い分けたいですね。

■カロリーはごはんの約半分!
 ビタミンCはみかん1個分!
馬鈴薯の主成分はデンプンで、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれるほど、ビタミンCを豊富に含んでいます。馬鈴薯のビタミンCはデンプンに包まれているので、保存時や加熱時に壊れにくいのが特徴。このほかにもビタミンB1、B6、カリウムなども多く含みます。

空気に触れると褐変するので、切ったらすぐに
 水にさらしましょう!

馬鈴薯の芽や、光に当たって緑色になった部分には、ソラニンという毒素が多く含まれているので、調理するときはしっかり取り除くことが大切です。保存するときは、光の当たらない暗くて涼しい場所に保管しましょう。また、新じゃがの場合は、水分を多く含んでいるので、長期保存せず、早めに使い切りましょう。